海外ドラマ『TOKYO VICE』のヒット以降、歌舞伎町一帯を訪れるインバウンド客の眼差しには明らかな変化が見られる。ハリウッドと日本のスタッフがタッグを組み、WOWOWやNetflixなどのプラットフォームを通じて世界へ配信されたダークなネオ東京の情景は、スクリーンの向こう側の出来事でありながら、観客の脳裏に強烈なリアリズムを植え付けた。
ドラマが描いた1990年代後半の混沌と、目の前に広がる清潔で開放的な公園の風景。そのギャップに驚く外国人旅行者は少なくない。危険なアングラ感を期待して訪れたバックパッカーが、楽しげにフードフェスのタコスを頬張る家族連れを見て微笑む。フィクションが惹きつけた好奇心が、街のリアルな再生プロセスを世界へ伝える触媒となっている。