蟹座の期間は何日から何日までなのかという問いに対し、大手ポータルサイトや女性誌の多くは「6月22日〜7月22日」を定説として提示しています。しかし、占星術の専門書や海外の主要メディア(米Astrology.comや英国占星術協会など)に目を向けると、「6月21日〜7月22日」を採用している例も珍しくありません。このわずか1〜2日の食い違いこそが、ネット上で「自分は双子座なのか蟹座なのか」「蟹座なのか獅子座なのか」という論争を引き起こす最大の要因です。
この現象の背景には、太陽の見かけ上の通り道である「黄道」を春分点を起点に30度ずつ等分するトロピカル方式の計算ルールが存在します。蟹座のスタート地点は、太陽黄経がちょうど90度に達する瞬間、すなわち天文学上の「夏至点」です。地球の公転周期は正確には約365.2422日であり、カレンダーの1年(365日)と約6時間のズレが生じます。このズレを解消するために閏年(うるう年)が設けられていますが、その結果として太陽が黄経90度を通過する日時は、年によって6月21日の早朝になることもあれば、6月22日の深夜にずれ込むこともあるのです。
退屈な日付の丸暗記ではなく、正確な星座を知るためには「生年月日」だけでなく「出生時間」と「出生地(経度)」に基づくネイタルチャート(出生天球図)の算出が不可欠です。例えば、日本標準時(JST)で6月21日の夜に生まれた人であっても、その瞬間に太陽が黄経89度59分であれば双子座の最終度数となり、黄経90度01分を過ぎていれば蟹座となります。7月22日から23日にかけての移行期も同様で、太陽が黄経120度(獅子座の起点)に達した瞬間を境に星座が切り替わります。「星座の変わり目」に生まれた自覚がある人は、母子手帳に記された出生時間をもとにホロスコープ作成ツールで度数を確認するのが最も科学的で確実なアプローチです。