大人から見れば短い文章であっても、小学一年生の読書感想文は子どもにとって「未体験の高度な思考タスク」です。春にひらがなを覚えたばかりの段階で、「本を読み」「自分の感情を認識し」「それを言語化して」「原稿用紙のマス目に正しく落とし込む」という4つの工程を同時にこなすのは極めて困難といえます。
多くの子どもが筆を止めてしまう背景には、頭の中に浮かんだ断片的な感情を文章の形に整理できないもどかしさがあります。ここで親が焦って「何でもいいから思ったことを書いてごらん」と大まかに指示を出したり、「どうして面白かったの? 理由は?」と問い詰めたりするのは逆効果です。子どもはプレッシャーを感じ、本を読むこと自体に苦手意識を持ってしまいます。
また、親が文章をそのまま考えて書き取らせる「完全な代筆」も避けたいところです。大切なのは、大人が「編集者」兼「インタビュアー」に徹し、子どもの心の中にある生き生きとしたつぶやきをキャッチしてあげる姿勢です。