ここ数年、日本のパンカルチャーには明確な地殻変動が起きている。かつて流行の発信地といえば東京の富ヶ谷や清澄白河だった。だが2026年の今、熱烈な視線を集めているのは、地方都市に根を張り、圧倒的な敷地面積とスケールで展開する大型ベッカライやパティスリーだ。
理由は明快。都市部の店舗では不可能な「窯のキャパシティ」と「空間のゆとり」がここにはある。高い天井、広々とした専用駐車場、職人たちが視界の向こうで生地と格闘するオープンキッチン。都心のタイニーなベーカリーでは物理的に実現できないダイナミズムが、ドライブカルチャーと結びつき、週末のエクスペリエンスとして消費者の心を捉えて離さない。