仙谷官房長官体制を揺るがす最大の危機となったのが、2010年9月7日に発生した「尖閣諸島中国漁船衝突事件」です。沖縄県・尖閣諸島沖の領海内で、違法操業を行っていた中国漁船が海上保安庁の巡視船に意図的に衝突し、公務執行妨害の現行犯で中国人船長が逮捕されました。
中国側が猛烈な外交的圧力を強め、レアアースの対日輸出停滞や日本人フジタ社員の拘束といった報復措置に出るなか、那覇地検は同年9月24日、中国人船長を「処分保留」のまま釈放・帰国させる決定を下しました。
検察独自の判断と発表されたものの、背景に仙谷官房長官を中心とする官邸側の強い政治的意向や外交的配慮が働いたことは公然の事実と見なされ、「司法への政治介入」「対中弱腰外交」として世論の激しい怒りを買いました。
さらに同年11月には、政府が非公開としていた衝突時の記録映像が、海上保安官の一色正春氏(sengoku38)によってYouTube上に流出。真実を隠蔽しようとしたと受け取られた菅直人政権と仙谷氏の危機管理能力は、国内外から壊滅的な打撃を受けることとなりました。