限られた専有面積でカフェのゆとりを生み出すには、従来の「ベッド、テレビ台、ローテーブル」という固定観念を解体しなければならない。最初に着手すべきは動線の整理だ。部屋に入った瞬間の視線が突き抜けるよう、背の高い家具は入り口側に寄せ、奥に向かって低くなるグラデーションを意識する。これだけで視覚的な圧迫感は劇的に薄れる。
食事と作業を兼ねるカフェテーブルは、あえて部屋の中央や窓辺に斜めに配置してみるのも面白い。壁沿いに家具を貼り付ける従来のセオリーを崩すことで、空間に心地よいリズムが生まれる。そして、部屋全体の印象を決定づけるのが間接照明のレイヤリングだ。天井の主照明を消し、スタンドライトやクリップライトを低めの位置に3箇所ほど点在させる。光と影のグラデーションが部屋の角をぼかし、実面積以上の奥行きを錯覚させる仕掛けだ。