夏八木勲の壮絶な生涯と最期|すい臓がん隠し名作を遺した男の真実にまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。
デビュー初期の荒々しい野性味から、後年の滋味深い円熟味に至るまで、夏八木勲が遺した足跡は日本映像史そのものです。1978年から1984年までの間は「夏木勲」名義で活動し、角川映画の大作などでアクションと演技力を兼ね備えた唯一無二のバイプレイヤーとして黄金期を築きました。
時代・作品名役柄・公開時期作品の位置づけ・背景編集部の見解・評価『牙狼之介』シリーズ主演・牙狼之介
(1966年〜1967年)五社英雄監督に見出された映画初主演作。荒削りな殺陣と野性味が爆発。昭和時代劇におけるアンチヒーロー像を確立。鍛え抜かれた肉体美が語り草に。『野性の証明』北野刑事 役
(1978年公開)角川映画の超大作。高倉健演じる主人公を執拗に追う警察幹部を力演。静かな狂気と使命感を宿した眼差しで、主役を食うほどの強烈なインパクトを記録。『そして父になる』良多の父・良輔 役
(2013年公開・遺作群)是枝裕和監督作。カンヌ国際映画祭審査員賞受賞。病魔と闘いながら撮影。不器用な昭和気質の父親像を淡々と演じ、作品の倫理的奥行きを格段に引き上げた名演。『永遠の0』現代の大石賢一郎 役
(2013年公開・遺作群)山崎貴監督作。興行収入87億円突破。命の継承を語る物語の要を担う。自身の命の灯火が消えゆく中で発した「生きる」ことへのセリフが涙を誘う白眉の演技。
遺作となった『そして父になる』『永遠の0』のほかにも、同年に公開された『終戦のエンペラー』『武士の献立』など、亡くなる前後に公開された作品はいずれも日本アカデミー賞をはじめ国内外で極めて高い評価を獲得しました。映画史において、これほど立て続けに傑作へ出演し、いずれも観客の記憶に焼き付く名演を遺して旅立った俳優は稀有な存在です。