『西郷どん』における鈴木亮平の役作りを語る上で、避けて通れないのが徹底した体重コントロールです。これまでも映画『俺物語!!』での30kg増量や、ドラマ『天皇の料理番』での20kg減量など、驚異的な身体変化で世間を驚かせてきた彼ですが、大河ドラマという約1年強の長丁場かつ時系列に沿った撮影での体格変化は、まさに人体の限界を試す挑戦でした。
物語序盤の西郷吉之助(青年期)では、薩摩の自然を駆け回るたくましい若武者として、無駄な脂肪のない精悍な肉体(70kg台半ば)を披露。しかし、奄美大島からさらに過酷な沖永良部島への遠島を命じられた中盤では、吹き曝しの牢獄で衰弱していく姿をリアルに表現するため、炭水化物を極限まで断ち、頬がこけ骨が浮き出るほどの減量を敢行しました。
圧巻だったのは、明治維新以降、新政府の陸軍大将として君臨する晩年期へのシフトです。スタッフや共演者が「セットの裏で常に何かを口にしていた」と証言するように、過密スケジュールの合間を縫って大量の白米、ちゃんこ鍋、プロテインを摂取。推定で100kg目前(約98kg)まで一気に増量し、教科書に載る西郷隆盛の肖像画そのものの分厚い首回りと貫禄ある太鼓腹を物理的に作り上げました。