習近平政権を象徴する看板政策といえば、「トラ(大物幹部)もハエ(末端官僚)も叩く」苛烈な反腐敗(汚職撲滅)キャンペーンです。しかし、その一方で国際調査報道機関によって突きつけられてきたのが、「習近平一族自身の海外資産問題」でした。
口火を切ったのは、2012年に米通信社ブルームバーグが報じた特大スクープです。報道によると、習近平の実姉である斉橋橋とその夫・鄧家貴(ダン・ジアグイ)夫妻、およびその娘が、香港の高級不動産やレアアース鉱山企業、通信会社などに数億ドル(数百億円規模)相当の資産を保有している実態が暴露されました。
さらに2016年の「パナマ文書」流出事件では、タックスヘイブン(租税回避地)の英領バージン諸島に鄧家貴名義のペーパーカンパニーが存在していたことが発覚。習近平本人や彭麗媛、習明沢の名義による直接の蓄財証拠は見つかっていないものの、親族が権力の威光を背景に巨額の富を築いていた構図が浮き彫りとなりました。
これに対し、習近平は政権掌握後、「親族に対し、一切のビジネスから手を引くよう命じた」と伝えられています。実際に姉夫妻は一部の企業株式や不動産を売却・整理したと報じられていますが、不透明な富の蓄積は、政敵からの攻撃材料や大衆の不満を招く「最大の火種」として今なお燻り続けています。