「無量大数が一番大きい数」と学校で習った記憶があるかもしれませんが、思想や数学の領域ではその先にも広大なフロンティアが存在します。
仏教の経典『華厳経(けごんきょう)』には、悟りの深さや仏の広大無辺の力を表すために作られた、さらに巨大な単位群が記されています。その頂点に君臨するのが「不可説不可説転(ふかせつふかせつてん)」です。
不可説不可説転は、指数で表すと約 $10^{37 \times 2^{122}}$(およそ $10^{3.7 \times 10^{37}}$)という想像を絶する巨大数です。観測可能な全宇宙に存在する素粒子の総数が約 $10^{80}$ 個と推定されていることを考えると、物理的な世界のスケールをはるかに超越した概念であることが分かります。
一方、近代数学の世界でも超巨大数は定義されています。
- グーゴル(Googol):$10^{100}$(1の後に0が100個並ぶ数)。IT大手「Google」の社名の由来としても有名です。
- グーゴルプレックス(Googolplex):$10^{\text{Googol}}$($10^{10^{100}}$)。全宇宙の物質を紙とインクに変えても書ききれない桁数を持ちます。
- グラハム数(Graham's number):数学の厳密な証明(ラムゼー理論)で実際に使われたことのある「意味のある最大の有限数」としてギネス記録に認定された数。通常の指数表記では到底表せず、専用の矢印表記(タワー表記)を用いても紙面に収まりません。