「冷凍した食材は生の食材より味が落ちる」という先入観は、味噌汁の具材選びにおいては完全に覆されます。特に冷凍きのこで味噌汁の旨味アップが実証されている背景には、明確な食品科学的根拠が存在します。
きのこ(しめじ、えのき、舞茸、椎茸など)を生のまま冷凍すると、内部の水分が膨張して氷結晶となり、強固な細胞壁を破壊します。この状態で加熱調理を行うと、細胞内に閉じ込められていた核酸系旨味成分であるグアニル酸やアミノ酸系のグルタミン酸が瞬時に溶け出します。さらに、冷凍によって細胞が壊れる過程で酵素が活性化し、旨味成分が生の状態と比較して約3倍にまで増加することが各種研究機関の分析で判明しています。
また、しじみなどの貝類においても同様の現象が確認されています。生のまま急速冷凍することでアミノ酸の一種であるオルニチンが約4倍に増加し、肝機能をサポートする栄養効果と濃厚なコクが両立します。味噌汁具材を冷凍した際の栄養価変化に関しても、ビタミンCや食物繊維などの主要栄養素は、収穫直後の新鮮な状態で冷凍密閉することで酸化や劣化を防ぎ、常温や野菜室で数日間放置するよりも高い残存率をキープできることが分かっています。