インターメディアテクの内部空間は、近代科学の源流となった16世紀〜17世紀ヨーロッパの「驚異の部屋(ヴンダーカンマー)」を現代に蘇らせたような独特の設計がなされています。整然と分類された一般的な現代の博物館とは異なり、自然史、考古学、地理学、医学、工学などの異分野が縦横無尽に交差し、視界のあちこちで知的な驚きが立ち上がります。
フロアに足を踏み入れてまず目を奪われるのが、空間をダイナミックに舞う巨大な骨格標本の群れです。見上げるほど巨大なミンククジラやマッコウクジラの全身骨格、キリンの長大な首の構造、ウマやアシカ、さらにはかつてマダガスカルに生息していた絶滅鳥類「エピオルニス」やニュージーランドの「モア」の骨格・巨大な卵など、図鑑でしか見られない稀少標本が間近に迫ります。
さらに注目すべきは、展示ケースやキャビネットそのものです。展示什器の多くは、東京大学の本郷キャンパスなどで実際に講義や研究・実験に使われていた19世紀末から昭和初期の木製アンティーク家具を修復・再利用しています。年月を経て深みを増した木肌の質感、当時の職人技が光る真鍮金具、旧東京中央郵便局の幾何学的な柱構造が一体となり、映画のワンシーンのようなノスタルジックかつ先鋭的な空間美を生み出しています。