近年のカルチャー作品においても、身体的距離と関係性の変容は象徴的に描かれている。映画『花束みたいな恋をした』では、出会ったばかりの恋気立つ時期から、すれ違いが生じる成熟・停滞期に至るまでの二人の距離感の変化が、歩く速度や手・腕の触れ合い方を通じて緻密に描写されていた。
同作のような映画や、Netflixで世界的にヒットする恋愛ドラマ、さらにはYouTube上で人気を集めるボディランゲージ解説チャンネルの台頭により、一般の若者の間でも「相手の仕草から本音を読み解く」感性が高まりを見せている。
こうした潮流を受けて、拡大を続ける恋愛カウンセリング産業においても、非言語シグナルの分析が実践的なカウンセリング手法として導入され始めた。口頭での自己申告よりも、カップルが相談室で示す無意識の立ち位置や腕の組み方こそが、真の課題を浮き彫りにするケースが多いからだ。