この現象を語る上で欠かせないのが、アルゴリズムの進化である。プラットフォームの巨頭ByteDanceが運営するTikTokをはじめ、YouTube ShortsやInstagram Reelsといった縦型動画サービスは、いまやカルチャーの発信基地としての役割を完全に確立した。
数年前まで主流だった「完璧に作り込まれたプロのパフォーマンス」よりも、部屋着のまま撮影された「等身大のゆるい動画」の方が、プラットフォーム上での滞在時間や共有率を押し上げる傾向が顕著になっている。スマートフォンのインカメラに向かって左右に揺れる構図は、視聴者との距離感を極限まで縮める。画面の向こう側の友人が目の前でふざけているかのような親密さ。それこそが、アルゴリズムが最も好む強力なエンゲージメントの源泉だ。