自動車メーカーであるトヨタが、なぜ静岡県裾野市にこれほど巨大な街を一から建設するのか。そのウーブンシティの目的と理由は、同社が掲げる「自動車をつくる会社」から「人々の移動を支えるモビリティカンパニー」への完全な脱皮にあります。
CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)技術やMaaS(Mobility as a Service)は、車両単体だけをテストコースで走らせていても本質的な進化は望めません。信号機、道路インフラ、住宅設備、歩行者の突発的な動き、さらには街全体のエネルギー網とクルマがリアルタイムにデータを送受信して初めて、真に安全で便利な自律型社会が実現します。
既存の公道では法規制や安全確保のハードルが高く、大胆な実証をスピード感を持って行うことが困難でした。そこで、私有地である裾野市の工場跡地をまるごと活用し、「すべてのモノとサービスがつながる実証都市(Living Laboratory)」としてゼロから構築する決断が下されたのです。これがトヨタのスマートシティ計画の核心です。