物語の考察者たちの間で長年議論されてきたのが、群れることを極度に嫌う鬼舞辻無惨が、なぜ累にだけ「鬼同士で群れを作り、家族を演じること」を容認していたのかという謎だ。
その理由は、無惨が累に対して抱いていた奇妙な「お気に入り」の感情にある。無惨自身、生まれつき病弱で死の淵をさまよっていた過去を持つ。自分と似た境遇を持つ累に対して、無惨はある種の共感と歪んだ愛着を寄せていたのではないか。他の下弦の鬼たちを一蹴した「パワハラ会議」においても、累の死がトリガーとなっていたことは、彼がいかに特別な存在であったかを物語っている。