この事件は、メディアのあり方そのものにも重い課題を突きつけた。『報道特集』をはじめとする地上波の調査報道番組や、迅速な議論を展開した『ABEMA NEWS』などのインターネット報道は、単なる猟奇事件としての消費を戒め、事件の背景にある構造的要因に焦点を当ててきた。
センセーショナルな見出しが飛び交う初期報道から一歩引き、刑事司法・報道ジャーナリズムが果たすべき役割とは何か。個人の精神疾患や家庭の孤立をどう報じるべきかという倫理的ジレンマに対し、各メディアは現在も自問自答を続けている。法廷が開示する情報の制限と知る権利の狭間で、ジャーナリズムの真価が試されている。