鮮魚店を営んでいた青年時代を経て、彼が社会奉仕の道へと足を踏み入れた拠点は、地元である大分県日出町役場周辺の地域活動だった。やがてその活動範囲は九州にとどまらず、全国の被災地へと広がっていく。
日本赤十字社をはじめとする公的・組織的な救援機関が組織力とマニュアルに基づいて動くのに対し、尾畠春夫氏のスタイルは徹底した個人の行動力に基づいている。組織の重圧や手続きにとらわれず、現場のニーズへ即座に駆けつけるフットワーク。大分県日出町役場から全国へ派遣されるような行政の枠組みを超えた、個人ボランティアとしての極致がそこにあった。