スナックの正式呼称は「スナックバー(Snack Bar)」に由来します。もともとは1964年の東京五輪前後に制定された飲食店関連の法規制を機に、軽食(スナック)を提供する酒場として広まった歴史を持ちます。しかし、半世紀以上の時を経て日本独自に進化を遂げた現在のスナックは、単なる「軽食喫茶」ではなく、店主である「ママ」と酒を酌み交わし、他愛のない世間話やカラオケを楽しむ大衆社交場としての地位を確立しました。
スナック最大の特徴は、スナックママの役割にあります。ママは単なる給仕係やお酒の提供者ではありません。店内の空気感を巧みにコントロールし、初対面の客同士の会話を繋ぎ、時には人生相談に乗る「コミュニティのファシリテーター(司会者)」です。高級クラブのような形式張った接遇ではなく、実家に帰ってきたかのような包容力と安心感を提供する点に、スナックならではの価値が存在します。