本作の熱量を底上げしたのが、圧倒的な存在感を放つ実力派キャスト陣の競演だ。主人公の元妻で弁護士の由貴子を演じた仲間由紀恵は、美しさと冷酷さを兼ね備えたミステリアスな人物像を見事に構築。従来のイメージを打破する悪女的なニュアンスを湛えた立ち振る舞いは、画面に異様な緊張感をもたらした。
また、圭太の幼馴染である菜七子役の仲里依紗は、一見すると良き理解者でありながら、内面に複雑な葛藤を抱える繊細なキャラクターを迫真の演技で描いた。さらに、事件の鍵を握る建設会社の幹部・宇都宮を演じた渡部篤郎の怪演も見逃せない。腹の底が見えない不気味さと洗練された雰囲気を同居させた演技は、サスペンスドラマとしての格調を大いに高めた。