脳神経外科という極めて精密な技術を要する現場で、なぜこれほど集中して神経損傷などの症例が発生したのか。第三者委員会や専門家による医療事故調査報告書を読み解くと、基本的な解剖学的知識の確認不足や、過度に無謀な執刀手技が相次いで指摘されている。生命や尊厳を直接脅かすミスの連続に、医療関係者からも驚愕の声が漏れる。
こうした実態に対し、脳神経外科領域の専門医資格を認定・管理する日本脳神経外科学会でも、技術認定や再教育のあり方を巡る議論が再燃した。一人の医師の技能不足を個人的な問題として片付けるのではなく、執刀資格や高難度手術の適否をチェックする客観的なシステムが、現場でいかに形骸化していたかが浮き彫りとなっている。