定番を脱却し、差をつけるためのアプローチが次々と生まれている。今、最も注目されているのは、異素材の重ね合わせとあえて「書かない」勇気を持つミニマルデザインだ。クラフトペーパーやトレーシングペーパー(半透明紙)を円形に切り出し、上下でわずかにずらしてハトメで留める。下の紙には淡い水彩でテクスチャを置き、上の透明紙にペンを走らせるだけで、奥行きのあるモダンな一品が完成する。
文字の配置にも明確なルール破りが起きている。従来の横書きではなく、円の外周に沿ってコンパスで弧を描くようにメッセージを綴る「サーキュラー・ライティング」が支持を集める。中央にはあえて何も書かず、ドライフラワーの一輪やシーリングワックスをワンポイントで配置する。メッセージ自体は短くても、配置の工夫だけで圧倒的な余韻が生まれる。手作りデザインにおいては、わざと縁をちぎって毛羽立たせる「デックルエッジ(耳付き紙)」加工を取り入れるクラフト愛好家も増えており、均一ではない不完全さこそが贅沢な価値として受け止められている。