コードを正しく押さえるだけでは、あの独特の儚い空気感は生まれない。演奏に魂を吹き込むための「極意」は、音の強弱(ダイナミクス)と間(ルバート)のコントロールにある。
Aメロ・Bメロでは、あえて音数を削ぎ落とし、ボーカルの吐息が聞こえるような静寂を意識しよう。サビに向かって徐々に打鍵やストロークの熱量を上げ、言葉の語尾を優しく置くように演奏するのがコツだ。特にピアノ弾き語りでは、ペダルの踏み替えタイミングをわずかに遅らせることで、残響が濁らずに美しい和音の余韻を保つことができる。ギターの場合は、アルペジオの親指(ベース音)を際立たせることで、楽曲全体の重心が安定する。