映画のファンのみならず、英語学習者の間でも屈指の人気を誇るこのフレーズ。Have courage and be kind 和訳として最も広く知られている公式の劇中訳は、「勇気と優しさを持って」や「勇気を持って、人に優しくありなさい」という表現です。
英語表現として細部を読み解くと、非常に計算されたリズムと文法構造が見えてきます。「courage(勇気)」は不可算名詞であるため動詞「Have」を伴い、「kind(親切な、優しい)」は形容詞であるため状態を促す「be」が用いられています。文法的に異なる二つの要素を「and」で鮮やかに繋ぐことで、口ずさみやすく、格言のような重厚な響きを生み出しています。
ここで言う「kind」は、単に相手の顔色をうかがってペコペコすることではありません。自分を傷つけようとする悪意に満ちた相手に対しても、自らが憎悪に染まらない気高さを保つこと。そして「courage」は、理不尽に立ち向かい、自分を見失わないための精神的な筋力を指します。勇気と優しさを持って 意味を深く突き詰めると、両者が揃って初めて成立する相互補完の関係であることが分かります。優しさのない勇気は暴力になり、勇気のない優しさは単なる弱さに堕してしまうからです。