石井竜也のビジュアルが際立っていた背景には、顔立ちだけでなく、身長175cmを超える均整の取れたスタイルと、洗練された立ち振る舞いがありました。スーツやドレープの美しいオートクチュール風の衣装を抜群のプロポーションで見事に着こなし、8頭身に近いシルエットでステージ上を優雅に舞う姿は、当時の歌謡界・ロック界でも別格の華やかさでした。
この卓越したセルフプロデュース能力の土台にあるのが、文化学院美術学科で学んだ経歴です。もともと画家を目指して油絵や現代美術を専攻していた石井は、バンドの衣装デザイン、舞台美術、CDジャケット、ロゴデザインに至るまですべてを自ら手掛けました。自らをひとつの「動く美術作品」としてトータルコーディネートしていたからこそ、単なる流行のアイドルとは一線を画す、構築された美しさを放っていたのです。