大相撲という、極めてドメスティックで閉鎖的と見なされがちだった世界を、獰猛なまでのエネルギーでエンターテインメントへと昇華させた『サンクチュアリ -聖域-』。この作品のメガヒットは、業界内にさらなる衝撃をもたらした。
肉体改造に年単位の時間を費やしたキャスト陣の気迫、コンプライアンスの枠組みをあえて揺さぶるような泥臭く生々しい人間描写。安全運転の企画ばかりが通りがちだった国内マーケットにおいて、エッジの立った作家性と商業的成功が両立し得ることを証明した意義は計り知れない。万人受けを狙うのではなく、極限までディテールを突き詰めたローカルな物語こそが、結果として最も普遍的なグローバルコンテンツになり得るという逆説を、この作品は見事に体現してみせた。