最大の特徴は、一般的なタイカレーとは明らかに異なるスパイス構成にある。フレッシュな生ハーブを多用する他のタイカレーと異なり、カルダモン、シナモン、クローブ、クミン、ナツメグといったドライスパイスを贅沢に乾煎りしてベースを作る。この手法は近年の日本で熱狂的な支持を集めるスパイスカレーの文脈とも深く共鳴する。
スパイスの骨太な輪郭を優しく包み込むのが、たっぷりのココナッツミルクだ。搾りたてのミルクが放つクリーミーな脂質と、パームシュガーのまろやかな甘み、タマリンドの品ある酸味、そして香ばしいピーナッツのテクスチャー。これらが渾然一体となり、未体験の深いコクを創出する。