では、石坂のハートを射止めた現在の妻とは一体どのような人物なのか。彼女は芸能関係者ではなく、石坂が主宰していた劇団の事務スタッフを務めていた一般女性である。石坂より22歳年下で、派手な業界の交友関係とは無縁の、極めて控えめで実直な人柄として知られている。
結婚から四半世紀近くが経つ現在も、彼女が表舞台に出てくることは一切ない。だが、石坂が80代を迎えた今、その健康管理と精神的な支えとしての存在感はますます大きくなっている。石坂はプラモデル作りや絵画、読書など、並外れて多趣味で知られるが、そうした本人のこだわりや一人の時間を妻は深く理解し、適度な距離感を保ちながら包容しているという。
かつて石坂が重病の手術を受けた際も、徹底した食事療法と献身的な看護で復帰を後押ししたのは妻だった。毎日の栄養バランスを考えた手料理や、規則正しい生活リズムの維持など、知性派俳優のバイタリティは、家庭を守る妻の細やかな愛情によって力強く支えられている。