縄文時代の食べ物は超グルメ?主食からクッキーまで最新研究で暴く真実の基礎知識と応用に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。
日本列島の食文化史における最大の転換点は、縄文時代から弥生時代への移行期に起きた「水稲農耕の本格導入」です。しかし、米を中心とする炭水化物偏重社会への移行は、純粋な栄養学的観点から見れば必ずしもポジティブな変化ばかりではありませんでした。
項目縄文時代の食生活弥生時代の食生活栄養・健康面における編集部の見解主食の構成クリ、クルミ、トチ、ドングリ、ヤマイモなどの超多品種分散型水稲(コメ)を中心とする穀類への急速な一本化弥生時代は凶作時の飢餓リスクが跳ね上がったのに対し、縄文時代はリスクヘッジが完璧だった。タンパク質・脂質源シカ、イノシシ、マグロ、サケ、海獣、堅果類の不飽和脂肪酸淡水魚、少量の鳥獣肉、家畜(一部豚)、大豆などの豆類縄文人はオメガ3脂肪酸や動物性鉄分を潤沢に摂取しており、骨密度や筋肉量は縄文人が凌駕する。調理方法の主流深鉢形縄文土器による長時間シチュー煮沸・蒸し焼き・燻製甑(こしき)を用いた穀類の「蒸し」、甕(かめ)による炊飯縄文土器の煮込み料理は水溶性ビタミンやミネラルを余さずスープごと摂取できる利点があった。栄養摂取の偏り高食物繊維・高ミネラル・高タンパク・低GI値高炭水化物・中タンパク・低微量栄養素(炭水化物過多)骨の骨多孔症痕や成長停止線(ハリス線)の出現頻度は、農耕化が進んだ弥生時代以降の方が高い。
人骨の炭素・窒素同位体比分析の最新成果によれば、縄文人の食生活は自然環境のキャパシティに合わせて柔軟に変化しており、栄養失調の痕跡を示す骨格の割合は、農耕社会へ移行した初期弥生人よりも低かった地域が少なくありません。単一作物に依存しない食糧戦略こそが、1万年以上にもわたる争いの少ない持続可能社会を支えた基盤でした。