「豚 体脂肪率 嘘か本当か」という議論は、SNSや情報番組で幾度となく取り沙汰されてきました。結論から述べれば、この言説は紛れもない科学的事実です。畜産試験場や農業関連の研究機関が公表している生体計測データによると、生後約6か月で出荷体重(約110〜120kg)に達した一般的な肥育豚における豚の体脂肪率の平均は14%から18%程度、中央値を取れば約15パーセント前後に収まります。
この数字を人間の健康基準に照らし合わせると、どれほど引き締まっているかが即座に理解できます。厚生労働省の健康情報指標や大手体組成計メーカーの公表データによれば、成人男性の体脂肪率の平均は15〜20%(25%以上で肥満)、成人女性の体脂肪率の平均は20〜29%(30%以上で肥満)と定義されています。つまり、平均的な豚は、一般的な成人女性よりもはるかに絞れており、定期的に運動習慣を持つ成人男性やアスリート予備軍に匹敵する極めてスリムな組成を維持しているのです。
一部のファッション誌やSNSで「豚はトップモデル並みの体脂肪率」と比喩されるのは、女性モデルがランウェイを歩く際に維持する体脂肪率(14〜17%前後)と、豚の生体数値がほぼ重なるためです。「太った人」を豚に例える比喩表現は、生物学的な現実から見れば完全に事実誤認であり、豚にとっては甚だしい名誉毀損と言わざるを得ません。