サッカーボールといえば誰もが思い浮かべる白と黒の正五角形と正六角形の組み合わせ。この代名詞的なスタイルを決定づけたのが、1970年メキシコ大会で登場した伝説のテルスター(Telstar)だ。当時普及し始めた白黒テレビ放送でもボールの位置がはっきり判別できるようにと、国際サッカー連盟(FIFA)のオフィシャルサプライヤーとなったアディダス(adidas)が開発した。
それ以前の大会では、革の風合いが残る茶褐色やオレンジ色のボールが使われており、天候によって水分を吸って重くなり、プレーの質に多大な影響を与えていた。テルスターの登場は視覚的なアイコンとなっただけでなく、均一な品質と反発力をピッチにもたらしたのだ。あれから半世紀以上の時が流れ、北米の広大な大地を舞台にする2026 FIFAワールドカップの舞台に至るまで、ボールの構造は手縫いの天然皮革からシームレスな熱接合複合素材へと劇的な跳躍を遂げた。