なぜ神保町には、これほどまでに味わい深い酒場文化が根付いているのか。その背景には、近隣に位置する明治大学をはじめとする学問の街としての歴史が深く関わっている。かつて若き学生や教授、文豪たちが夜な夜な集い、熱く議論を交わした場所こそが、街の大衆酒場だったのだ。
千代田区のなかでも神保町駅エリアは、神田神保町の古書店街とともに発展してきた。本を片手にふらりと立ち寄り、安いビールと煮込みで喉を鳴らす。そんな気取らないカルチャーが今も脈々と息づいている。時代を超えて受け継がれる大衆酒場の暖簾は、訪れる者にどこか懐かしく、安らぎに満ちた時間を提供してくれる。