こうした謙信の美学と馬上杯のロマンは、数々の映像作品を通じても日本中へ広められてきた。角川映画の金字塔である映画『天と地と』では、燃え上がる戦火と漆黒の兜、そして漆塗りの馬上杯を掲げる謙信の姿が圧倒的な映像美で描写され、観客の心に強く刻み込まれた。
また、大河ドラマ『風林火山』をはじめとする時代劇・戦国ドラマにおいても、馬上杯は謙信のキャラクターを際立たせる不可欠な小道具として効果的に使われている。冷徹な戦術家でありながら内に熱い情念を秘めた謙信が、杯を傾ける姿には圧倒的な存在感が宿る。こうした名作群は、現在NHKオンデマンドなどの動画配信サービスでも視聴可能であり、時代を超えて新たなファンを魅了し続けている。