KID氏の逝去は、彼を心から愛した周囲の人々の胸に、深く、消えない炎を灯すことになりました。なかでも実姉である山本美憂氏の行動は、多くのファンの胸を打ちました。
弟の死からわずか12日後の2018年9月30日、さいたまスーパーアリーナで開催された『RIZIN.13』。美憂氏は試合の欠場を勧められながらも、「KIDなら『絶対に出ろ』と言うはず」とリングに上がることを決断します。悲しみを押し殺し、鬼気迫るファイトでアンディ・ウィン相手に見事判定勝利を収めると、リング上で天を仰ぎ、「KID、勝ったよ!」と絶叫しました。その姿は、弟の魂がリングに宿り、姉を突き動かした奇跡の瞬間として語り継がれています。
また、2004年大晦日の伝説の一戦(K-1 PREMIUM 2004 Dynamite!!)で拳を交え、瞬間最高視聴率31.6%を記録した永遠のライバル・魔裟斗氏も深い哀悼の意を表しました。「お前がいたから、俺は強くなれた。KID、本当にありがとう。先に行って待っててくれよ」という魔裟斗氏の言葉は、戦友にしか理解できない孤高の敬意に満ちていました。
そして、KRAZY BEEで内弟子として育ち、世界の頂点へと駆け上がった堀口恭司選手。堀口選手は常々、「格闘技の技術だけでなく、人としての生き方、礼儀、何事にも恐れず向かっていく心をすべてKIDさんから教わった」と語っています。師匠の死後も、堀口選手が国内外の過酷なリングで圧倒的な強さを示し続ける姿こそ、KID氏の遺伝子が今も生き続けている決定的な証拠です。