保護施設における環境改善は、いまや世界基準の議論となっている。環境省が提示する飼養管理基準の遵守はもちろんのこと、センターでは一歩進んだ「動物福祉(アニマルウェルフェア)」の具現化が追求されている。
施設内の処置室では、専属の獣医師による迅速な獣医療が施されていた。感染症予防のワクチン接種や駆虫にとどまらず、負傷して運び込まれた個体の外科手術や、高齢動物の持病コントロールまで対応する。以前であれば「助からない」と判断されかねなかった重篤な状態の動物たちも、高度な医療的ケアによって命を繋ぎ止めるケースが格段に増えた。
さらに注目すべきは、ケージの広さや運動スペースの確保、知育玩具を用いたストレス軽減策など、動物の「心の健康」にまで配慮が行き届いている点だ。飢えや渇きを満たすだけでなく、恐怖や苦痛から解放され、本来の行動をとることができる環境づくり。命を預かる施設としての誇りが、隅々にまで宿っている。