スタジオの歩みを語る上で欠かせないのが、1954年(昭和29年)の開設から始まる日活調布撮影所の歴史です。当時、多摩川沿いの広大な田園地帯に開設された同所は、東洋一の規模を誇る近代的な映画スタジオとして華々しくスタートを切りました。
1950年代半ばから1960年代にかけて、日活は黄金期を迎えます。その中心に君臨したのが石原裕次郎でした。『狂った果実』や『嵐を呼ぶ男』『黒部の太陽』など、日本映画史に燦然と輝く名作がこの調布のスタジオや近隣のオープンセットから誕生しました。さらに小林旭、浅丘ルリ子、吉永小百合、宍戸錠といった伝説のスターたちが連日撮影所に通い詰め、若者文化を牽引する無数の青春映画・アクション映画が量産されたのです。
その後、1970〜80年代のロマンポルノ路線による独自の映像美学の追求、そして1990年代以降の一般商業映画・VFX大作への転換期を経て、スタジオは常に時代の荒波を乗り越えてきました。近年の日活調布撮影所の撮影作品には、日本アカデミー賞受賞作をはじめ、世界中で視聴されるハイエンドな配信サスペンス、特撮アクション、メジャーアーティストのミュージックビデオまで、多岐にわたるジャンルが名を連ねています。