不祥事の口火を切ったのは、福岡の店舗における表示偽装だった。九州産の牛肉を「但馬牛」や「飛騨牛」と偽って提供していた疑惑が持ち上がり、事態は急速に悪化していく。一連の船場吉兆食品偽装発覚事件において明かされた手法は、極めて緻密かつ組織的なものだった。
賞味期限が切れた洋菓子や惣菜のラベルを貼り替えるなどの不正が相次いで露呈した。さらに国民を愕然とさせたのは、客が残した料亭料理の再利用である。刺身や天ぷら、鍋物の残飯を別の客へ回す「使い回し」が日常化していた実態は、高級店への信頼を根底から打ち砕く決定打となった。