「サンタクロースはどこから来たのか」という問いに対し、現代の多くの人々は即座にフィンランドのラップランド地方を思い浮かべるだろう。だが、歴史学者や考古学者が提示する地理的ルーツは、北極圏から遠く離れた中東・地中海沿岸部にある。現在のトルコ共和国アンタルヤ県デムレ、かつて古代リュキアの港湾都市ミラと呼ばれた地こそが、モデルとなった人物が生涯を送った場所だ。
一方、私たちが毎年12月に手紙を送り、夢を馳せる「実在の拠点」としての正統性は北欧にあるという主張も根強い。歴史的な起源と、現代社会における文化的・実務的な公認地。この二つの異なるベクトルの存在が、サンタクロースの故郷を巡る議論をより魅力的で多層的なものに仕立て上げている。