ネット上の掲示板やSNSでは、「日比周辺は今でも煙くさいのか」「工場の周辺に住むリスクはあるのか」といった過去のイメージを引きずった書き込みが散見されます。しかし、現地取材と公的機関の大気測定データが示す現実は、そうした懸念を明確に否定しています。
玉野市および岡山県が常時監視している大気汚染測定局のデータによると、製錬所周辺における二酸化硫黄(SO2)濃度は、国の定める環境基準(1時間値の日平均値が0.04ppm以下)を年間を通じて大幅に下回る0.002〜0.005ppm前後の極めて清浄なレベルで推移しています。工場から海風が吹き込む住宅地においても、異臭や目に見える煙が滞留するような事態は生じていません。
地元住民の間での評判も、過去の闘争期とは様相を異にしています。地元関係者の証言を総合すると、次のような現場のリアルが浮かび上がります。
「昭和の時代を知る高齢世代には煙害の記憶が生々しく残っているものの、現在の玉野製錬所は市内屈指の優良企業という認識が定着している。騒音や環境対策の協議会が定期的に開かれ、会社側も数値をオープンに説明してくれるため、不信感を抱く住民はほとんどいない」(地元自治会関係者)
玉野市日比の工場は、単なる生産拠点にとどまらず、地元雇用の受け皿やインフラ維持のパートナーとして地域に深く根を下ろしています。