昭和の派手なドンパチや超人的なヒーロー像から一転、平成のドラマ界に地殻変動を起こしたのが1997年放送の『踊る大捜査線』(フジテレビ系)です。織田裕二演じる元営業マンの脱サラ刑事・青島俊作を主人公に据え、それまでのドラマではタブー視されていた「警察内部の官僚主義」や「キャリア(本店)とノンキャリア(所轄)の埋められない格差」をリアルかつユーモラスに暴き出しました。
「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ!」という劇中の名セリフは当時の流行語大賞に選ばれるなど爆発的なブームを巻き起こし、連続ドラマからスペシャルドラマ、そして劇場版へと展開。1998年公開の劇場版第1作に続き、2003年の『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』は興行収入173.5億円、観客動員数1260万人という、日本の実写映画歴代最高記録を樹立しました。この記録は四半世紀近くが経過した現在も破られていません。
また、平成期には三谷幸喜脚本による倒叙推理サスペンスの傑作『古畑任三郎』(田村正和主演)や、木村拓哉主演で型破りな検事の活躍を描いた『HERO』など、心理戦や緻密な台詞劇を前面に押し出した革新作が次々と誕生。刑事・警察ドラマの表現領域は一気に広がりを見せました。