古代や中世の文庫思想は、現代の公立・国立の知的基盤へと確実に結びついている。日本の出版物や知識資産を網羅的に収集・保存する「国立国会図書館」や、全国の図書館活動の振興を支える「日本図書館協会」の理念にも、芸亭以来の「知識の共有と保存」の精神が息づいている。
現代の「図書館情報学」においては、情報アクセスの平等性やアーカイブ技術のデジタル化が絶えず研究されている。世界的な規模で進む貴重書のデジタルアーカイブや「文化遺産保護」の取り組みは、かつて石上宅嗣や北条実時が守ろうとした知的遺産を、未来の世代へ確実につなぐための現代的アプローチと言えるだろう。