レバ刺しを原因とする食中毒の厄介な特徴は、食後すぐに症状が出ない点にある。多くの人が「その日の夜に何も起きなかったから大丈夫」と油断してしまう。しかし、細菌やウイルスは静かに体内で増殖を続けている。
鶏や豚、牛の内臓に寄生するカンピロバクターの場合、潜伏期間は2日から5日、長いときには1週間近くにおよぶ。主な症状は以下の通りだ。
突然の38度を超える高熱、締め付けられるような激しい下腹部痛、そして1日に10回以上繰り返される水様性の下痢。発熱が先行するため、初期段階でインフルエンザや急性胃腸炎と誤診されるケースも少なくない。
さらに恐ろしいのが、腸管出血性大腸菌(O157など)だ。潜伏期間は3日から8日と非常に長い。体内に侵入したわずか数十個の菌が増殖し、ベロ毒素と呼ばれる強力な毒素を放出する。初期の水様便はやがて鮮血が混じる血便へと変わり、激痛を伴う出血性大腸炎を引き起こす。