打席に入った瞬間の威圧感が、明らかに違っていた。侍ジャパンの主砲として世界の強豪と渡り合ってきた村上宗隆が放った豪快な一撃は、快音を残してライトスタンド最上段へと消えて行った。相手投手が投じた渾身の外角直球を完璧に捉えたスイングは、プロの凄みを雄弁に物語るプレイだ。
メジャーリーグの舞台で圧巻のパフォーマンスを維持する大谷翔平の打撃アプローチやトレーニング論は、現在の日本の球界にも計り知れない影響を与えている。村上の一撃にも、そうした世界水準のパワーと緻密な技術へのあくなき探求心が滲み出ていた。スタンドを埋め尽くした観客が立ち上がり、打球の軌跡を追う数秒間、球場の空気は完全に停止していた。