この名言のルーツを紐解く上で外せないのが、1950年代ハリウッドの名作『OK牧場の決闘』だ。バート・ランカスターが伝説の保安官ワイアット・アープを演じ、男たちの誇りと銃撃戦を描き切った西部劇映画の最高峰である。かつて映画館が最高の娯楽だった時代、若き日の彼はスクリーンの熱量に胸を焦がしていた。
荒野に響く銃声、揺るがない正義、そしてハードボイルドな男の美学。当時日本に輸入された名作の数々は、青少年の憧れそのものだった。バート・ランカスターが体現した骨太なヒーロー像は、厳しい現実を生き抜く若者に強い勇気を与え、その記憶は鮮烈な残像として脳裏に焼き付いていたのだ。
映画の舞台となったアリゾナ州トゥームストーンの実在の牧場名が、数十年後の日本のバラエティで蘇る。映画史の傑作がまったく異なる文脈へとトランスフォームした瞬間であり、大衆文化の奇妙で面白い連鎖反応といえる。