女優としてトップランナーでありながら、渚まゆみは歌手としても昭和歌謡の歴史に燦然と輝く名曲を残している。その代表格が、1971年にリリースされた『愛のきずな』だ。
浜口庫之助が作詞・作曲を手掛けたこの楽曲は、彼女のハスキーでどこか甘美な歌声と見事に融合し、爆発的なヒットを記録。日本レコード大賞の歌唱賞を受賞するなど、歌手としての才能を世に見せつけた。情感たっぷりに歌い上げるその姿は、多くのリスナーの胸を締め付けた。
彼女の歌声には、技術を超えた人間的な色気とドラマが宿っていた。単なる女優の余技にとどまらず、歌謡界のトップアーティストたちと肩を並べる表現力を発揮した稀有な存在だった。