第一選択薬として長年信頼されてきたのが、α1受容体刺激薬である塩酸ミドドリン(商品名:メトリジン)だ。末梢血管を収縮させて血圧を上昇させ、下半身への血液の滞留を防ぐ作用を持つ。朝の起床時に血圧が底を打つタイプの患者に対し、起床30分前に布団の中で服用させる臨床指導が近年定着しつつある。
一方、近年患者数が増加傾向にあるPOTS(体位性頻脈症候群)に対しては、血圧を上げるだけでなく過剰な心拍数を抑制する治療法が重視される。小用量のβ遮断薬(プロプラノロールなど)や、心拍数のみを選択的に下げる新たな洞調律緩徐薬(イバブラジン)などが活用され、胸の苦しさや激しい疲労感を大幅に和らげる成果を上げている。また、交感神経の過剰な緊張を和らげる自律神経調整薬(トフィソパムなど)も、不安感や自律神経の動揺が強い症例で積極的に組み合わされている。