実務担当者が最も恐れるべき事態は、著作権侵害による警告書(内容証明郵便)の送達や、SNSでの「悪用炎上」です。ぱくたそに関して裁判沙汰やトラブルとして取り沙汰される事例を深掘りすると、法的な急所はすべてフリー素材のモデルリリース(肖像権使用許諾)の適用限界に集約されます。
ぱくたその人物素材に登場する被写体は、公式サイトの「モデル一覧」で実名や活動名が公開されているプロ・セミプロのモデルたちです。彼らは撮影時にモデルリリースへ署名しており、「ぱくたその規約範囲内での写真公開と商用利用」を許諾しています。したがって、通常の広告バナーや解説記事に使われたからといって、モデル個人から訴訟を起こされることはありません。
しかし、法律上の許諾(モデルリリース)は「無制限のフリーハンド」を意味しません。過去に起きた炎上騒動や実務上のトラブルの主因は、以下の3点に集中しています。
ひとつ目は、被写体の名誉毀損・人格権侵害に当たるセンシティブ利用です。例えば、薄毛治療、重篤な疾患、借金苦、詐欺加害者、性犯罪、不倫・浮気といったテーマの解説コンテンツに、あたかもその人物が当事者であるかのように写真を掲載する手法です。モデルリリースが存在しても、「個人の社会的評価を著しく低下させる態様」での利用は民法上の不法行為(名誉毀損・肖像権侵害)を構成し、運営元および被写体側から写真の差し止めや損害賠償請求の対象となり得ます。
ふたつ目は、「なりすまし」や虚偽の推薦文(テスティモニアル)への流用です。「このサプリで月10キロ痩せました」「投資で億り人になりました」といった架空の体験談の顔写真として、大川竜弥氏や他の所属モデルの顔写真が無断掲載され、景品表示法違反(優良誤認)やパブリシティ権侵害の疑いで摘発・炎上した事例は過去に幾度も発生しています。これらは素材側の瑕疵ではなく、素材を悪用した事業者の悪質なモラル違反に他なりません。