この革新的ブランドを生み出した創業者ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)の経歴は、ファッションデザイナーとしては極めて異例でした。
ガーナ移民の両親のもとアメリカ・イリノイ州で育った彼は、大学で土木工学と建築学の修士号を取得。フェンディでのインターン時代にカニエ・ウェスト(現イェ)と意気投合し、クリエイティブディレクターとして頭角を現します。2012年の「Pyrex Vision」を経て、2013年秋冬シーズンに『Off-White』をミラノで始動させました。
その功績が認められ、2018年にはアフリカ系アメリカ人として史上初めてルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)のメンズ アーティスティック・デザイナーに就任。ファッション史を塗り替える象徴的な存在となります。
しかし、栄華を極めていた最中の2026年11月、心臓血管肉腫という希少がんで41歳の若さで急逝。世界中のクリエイターやファンに底知れぬ喪失感を与え、ファッション界は一つの黄金期の終焉を迎えました。