かつての常識を決定的に塗り替えたのが、三脚に載せて路肩や歩道に設置される「可搬式オービス(移動式オービス)」の全国的な配備です。自動車メディア『Motor Fan』などの交通取り締まり検証報道でも指摘されている通り、従来の固定式オービスでは対象外だった「青切符レベルの軽微な速度超過」であっても、可搬式オービスは容赦なく発光・記録する運用体制へと舵が切られています。
現場への導入が進む新型装置(東京航空計器のLSM-300シリーズや、センシス・ガッツォ社のMSSSなど)は、レーザーや高精度スキャンレーダーを用いて複数車線を同時に追跡し、夜間や悪天候下でも違反車両を瞬時に捕捉します。大掛かりな路面工事を必要とせず、わずかワンボックスカー1台と警察官2名程度で運用可能な機動性を誇ります。
特に重点配備されているのが、最高速度が時速30キロに制限された生活道路ゾーン30取り締まりや、小学校周辺の通学路です。狭い住宅街では、時速45kmで走行しただけでも「15km/h超過」となり、歩行者にとっては致命的な脅威となります。警察庁の交通指導統計を見ても、ゾーン30をはじめとする通学路対策において、反則告知(青切符)を前提とした15km/h〜20km/h超過の測定・後日検挙が日常的に行われているのが現場のリアルです。
「オービスは一発免停になるような超暴走車しか撮らない」という認識は完全に過去の遺物となりました。生活道路や幹線道路の抜け道では、わずか15km/h前後の超過であってもカメラが作動し、後日呼び出しを受けるリスクが極めて高くなっています。