検索エンジンやSNSで「女子力」と打ち込むと、サジェストの上位に「死語」「うざい」「押し付け」といったネガティブな語句が並びます。なぜこれほどまでに言葉への風当たりが強くなったのでしょうか。現場の生の声とコミュニティの反応を精査すると、明確な2つの構造的要因が存在します。
第1の要因は、女子力押し付けへのネットの反応に象徴される「役割の強制」に対する強い拒絶です。読売新聞が取り上げた人生相談の事例では、「彼女の手料理や気配りを、特定の知人女性の女子力と比較して不満を漏らす男性」の投稿に対し、60件を超える反発のコメントが殺到しました。読者からは「女子力以前に、パートナーを一人の人間として尊重していない」「女性なら誰でも甲斐甲斐しく尽くすべきという固定観念が透けて見える」といった手厳しい指摘が相次いでいます。このように、他者から一方的に課される「評価軸」として悪用されたことが、言葉の急速な陳腐化を招きました。
第2の要因は、計算高い演出に対する警戒心、すなわち女子力アピールうざい噂の真相です。大手クチコミ掲示板やSNSでは、次のような体験談が生々しく語られています。
「会社の飲み会で、頼んでもいないのに大皿の料理を取り分け始め、『私、女子力高いから〜』と周囲の視線を集めようとする同僚。取り分け自体よりも、恩着せがましい態度とマウンティングが透けて見えるのが一番キツイ」(28歳・IT関連勤務)
周囲への純粋な配慮ではなく、自分を「気配りができる特別な女性」として承認させるための道具に使われた瞬間、周囲は興ざめします。見せかけのポーズとしての女子力は、今や周囲に心理的負担を与えるリスク要因として捉えられています。